フランス積みとは?意味や施工方法を解説
初めての住まい作り
先生、『フランス積み』って、どういう積み方ですか?
住まい作りのベテラン
『フランス積み』は、長手積みと小口積みを交互に並べ、小口の縦芯(センター)と上下に積まれた長手の縦芯が必ず揃うように積む積み方だよ。
初めての住まい作り
なるほど、長手積みと小口積みを交互に並べるんですね。でも、なぜ縦芯を揃えなければならないんですか?
住まい作りのベテラン
縦芯を揃えることで、積み上げたレンガが安定して倒れにくくなるんだよ。また、見た目にも美しくなるんだ。
フランス積みとは。
建築・リフォーム関連に用いられる「フランス積み」とは、煉瓦を積む方法の一種です。各段ごとに長手積みと小口積みを交互に並べ、小口積みの中央の縦芯と上下に積まれた長手積みの縦芯が必ず揃うように積み上げられています。この積み方は正確には「フランドル積み」と呼ばれていて、ベルギー全土からフランス北東部のフランドル地方に由来しています。
フランス積みの特徴
フランス積みの特徴は、伝統的なレンガ積みの工法であり、世界中の多くの建造物に使用されています。その特徴は、レンガを互いに重ねて、各層が90度回転していくという点にあります。この積み方は、壁に強度と安定性を与えるのに役立ち、地震やその他の自然災害にも耐えることができます。また、フランス積みの壁は、装飾的な目的でも使用され、その美しい模様が特徴です。
フランス積みのレンガ積みは、さまざまな種類がありますが、最も一般的なのは、イギリス積みとフランス積みです。イギリス積みは、レンガを交互に重ねていく積み方であり、フランス積みは、レンガを90度回転させながら重ねていく積み方です。フランス積みの特徴は、レンガの積み方がイギリス積みとは異なり、レンガを90度回転させながら重ねていくことです。
この積み方は、壁に強度と安定性を与えるのに役立ちます。また、フランス積みの壁は、装飾的な目的でも使用され、その美しい模様が特徴です。
フランス積みの施工方法
フランス積みの施工方法は、以下の手順で行います。
- 石材の下地処理を行います。石材の表面を洗浄し、汚れや油を取り除きます。
- モルタルを敷きます。モルタルは、セメント、砂、水を混ぜたものです。モルタルを敷くことで、石材同士の間に隙間ができないようにします。
- 石材を積み重ねます。石材を積み重ねる際には、石材同士の間に目地を作ります。目地は、石材同士を固定する役割を果たします。
- 目地を埋めます。目地は、モルタルで埋められます。モルタルを目地に埋めることで、石材同士が固定され、強度が保たれます。
- 仕上げを行います。仕上げには、様々な方法があります。石材を磨いたり、コーティングしたり、塗装したりするなど、様々な仕上げ方法があります。
フランス積みの施工方法は、比較的簡単ですが、施工には熟練した技術が必要です。フランス積みを施工する際には、必ず熟練した石工に依頼するようにしましょう。
フランス積みと他の積み方の違い
フランス積みと他の積み方の違いは、その美しさにあります。フランス積みの特徴は、石の表面に加工を施し、石と石の間に目地材を使用しないことです。これにより、石の表面がなめらかで美しく、かつ目地が目立たないため、まるで一枚の石でできているかのような高級感と重厚感が生まれます。また、フランス積みに使用される石は、石材の中でも硬度が高く、耐久性に優れたものが多いです。
一般的な積み方である乱積みやイギリス積みに比べると、石の加工や施工に手間がかかるため、費用が高くなる傾向があります。しかし、その美しさや耐久性は、費用をかけても採用する価値のあるものと言えるでしょう。
フランス積みのメリット・デメリット
フランス積みのメリット・デメリット
フランス積みのメリットは、まず、美しいことです。石材を交互に積み重ねたフランス積みの壁面は、まるで芸術品のような美しさがあります。
次に、耐久性が高いことです。石材は風雨や紫外線に強く、長年にわたってその美しさを保つことができます。
また、断熱性や遮音性に優れています。石材は熱を伝えにくい性質を持っており、断熱性が高いです。また、石材は音を吸収しやすい性質を持っており、遮音性が高いです。
デメリットとしては、まず、施工が大変であることです。フランス積みには熟練した職人の技術が必要であり、施工には時間がかかります。
次に、費用がかかることです。石材は高価な材料であり、また、施工にも手間がかかるため、フランス積みの壁面は高額になりがちです。
最後に、メンテナンスが大変であることです。石材は経年劣化により汚れや傷がつきやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。
フランス積みを採用している建物
フランス積みの特徴的な建物として挙げられるのは、1906年に完成した「旧東京府庁舎(東京都庁旧本庁舎)」です。この建物は、レンガ造りであり、フランス積みで施工されています。外壁には、赤レンガと花崗岩が交互に使用されており、重厚感と美しさを兼ね備えた外観となっています。
また、1923年に完成した「東京駅 丸の内駅舎」も、フランス積みを採用しています。この建物は、皇居の玄関口として建設されたため、華やかで格式高いデザインとなっています。外壁には、赤レンガと白い化粧レンガが使用されており、優美な雰囲気を醸し出しています。
さらに、1933年に完成した「日本銀行本店本館」も、フランス積みを採用しています。この建物は、日本銀行の総本店として建設されたため、威厳と風格を感じさせるデザインとなっています。外壁には、赤レンガと石材が使用されており、重厚感と高級感があります。
これらの建物は、いずれもフランス積みを採用することで、特徴的で美しい外観を実現しています。フランス積みは、レンガ造りの建物を施工する際に、よく用いられる工法であり、レンガの積み方によって、建物の外観に変化をつけることができます。