鉄骨造の特徴と工法を解説
初めての住まい作り
鉄骨造について教えてください。
住まい作りのベテラン
鉄骨造とは、主な構造部分が鉄骨でできている構造のことだよ。鉄骨(steel)を略して「S造(エスゾウ)」と呼ばれたりもするよ。
初めての住まい作り
鉄骨造の工法にはどんなものがありますか?
住まい作りのベテラン
鉄骨造の工法には、ラーメン工法とブレース工法の2種類があるよ。ラーメン工法は、柱と梁を剛接合でつないだもので、ブレース工法は、柱と梁をブレース(筋交い)で補強したものです。
鉄骨造とは。
建築・リフォーム業界で用いられる用語の一つである「鉄骨造」とは、主要な構造部に鉄骨を用いた構造のことを指します。鉄骨(steel)を略して「S造」とも呼ばれています。鉄骨造の工法には、「ラーメン工法」と「ブレース工法」の2種類があります。
鉄筋コンクリート造に比べて軽量で、粘り強い構造となっているため、高層建築やスパンの大きい建物に適しています。
鉄骨造のメリット・デメリット
鉄骨造のメリット
鉄骨造は、木造や鉄筋コンクリート造と比較して、重量が軽く、強度が高いという特徴があります。そのため、大規模な建築物や高層建築物の建設に適しています。また、鉄骨は加工が容易で、施工期間が短いというメリットもあります。鉄骨造は、地震や火災にも強い構造です。鉄骨は、木材と比べて燃えにくいため、火災時の延焼被害を軽減できます。また、鉄骨は、地震の揺れに強い構造なので、地震時の倒壊を防ぐことができます。
鉄骨造のデメリット
鉄骨造は、木造や鉄筋コンクリート造と比較して、コストが高いというデメリットがあります。また、鉄骨は熱を伝えやすい性質があるため、夏場は暑く、冬場は寒いという問題があります。鉄骨造は、木造や鉄筋コンクリート造と比較して、遮音性が低いというデメリットもあります。そのため、鉄骨造の建物では、音が漏れやすいという問題があります。
鉄骨造の工法
鉄骨造の工法には、大きく分けて3種類あります。 一つは、鉄骨を工場で製作し、現場で組み立てていく「プレファブ工法」です。プレファブ工法は、工期が短くコストも安いというメリットがあります。二つ目は、鉄骨を現場で組み立てていく「現場組み立て工法」です。現場組み立て工法は、プレファブ工法よりも工期が長くコストもかかりますが、柔軟性が高く、複雑な形状の建物にも対応することができます。三つ目は、鉄骨と鉄筋コンクリートを組み合わせた「鉄骨鉄筋コンクリート造」です。鉄骨鉄筋コンクリート造は、鉄骨造よりも耐震性と耐火性に優れており、高層ビルや公共施設などに採用されています。
ラーメン工法とは
ラーメン工法とは、柱と梁が連続して接続され、建物全体が一つのわくのような構造になっている工法です。この工法は、耐震性に優れているため、地震の多い日本において広く採用されています。また、ラーメン工法には、軽量で施工性に優れているというメリットもあります。
ラーメン工法は、柱と梁を鉄骨で組み立てる工法です。柱と梁は、ボルトや溶接で接合されます。接合方法は、建物の規模や用途によって異なります。ラーメン工法は、比較的軽量な構造であるため、地盤への負担が少なく、施工が容易です。また、ラーメン工法は、耐震性に優れているため、地震の多い日本において広く採用されています。
ラーメン工法は、プレハブ工法と現場打ち工法の2種類があります。プレハブ工法は、工場で柱と梁を製造し、現場で組み立てる工法です。現場打ち工法は、現場で柱と梁を組み立てる工法です。プレハブ工法は、施工が容易で、工期が短縮できます。現場打ち工法は、柱と梁の形状や寸法を自由に設計できるというメリットがあります。
ブレース工法とは
ブレース工法とは
ブレース工法とは、鉄骨造の建物の強度を高めるために、鉄骨材を斜めに交差させて張る工法のことです。ブレース材には、アングル鋼やH形鋼などが使用されます。ブレース工法は、鉄骨造の建物の耐震性を高めるために有効な工法であり、特に地震の多い地域で多く採用されています。
ブレース工法には、ブレース材を鉄骨柱に接合する方法によって、大きく分けて2つの工法があります。
1つ目は、ブレース材を鉄骨柱に直接接合する直接接合工法です。直接接合工法は、ブレース材と鉄骨柱の接合部が直接接合されているため、接合部の強度が高く、耐震性に優れています。
2つ目は、ブレース材を鉄骨柱に接合する間接接合工法です。間接接合工法は、ブレース材と鉄骨柱の間にガスケットなどの材料を挟んで接合されているため、接合部の強度が直接接合工法よりも若干劣りますが、耐震性は十分に確保できます。
鉄骨造に適した建物とは
鉄骨造に適した建物とは、軽量で、大きな空間を必要とする建物です。鉄骨造は、鉄骨を骨組みとして使用するため、軽量でありながら、強度の高い構造を実現することができます。そのため、大規模な工場や倉庫、体育館やアリーナなどの大きな空間を必要とする建物に適しています。また、鉄骨造は、コンクリート造や木造よりも工期が短く、コストを抑えることができます。そのため、短期的に完成させたい建物や、予算を抑えたい建物にも適しています。さらに、鉄骨造は、耐震性や耐火性に優れているため、地震や火災が発生した場合でも、建物の倒壊や火災の拡大を防ぐことができます。そのため、安全性と信頼性を重視する建物にも適しています。