付書院とは?その特徴と歴史

付書院とは?その特徴と歴史

初めての住まい作り

付書院って、どんなものですか?

住まい作りのベテラン

付書院は、書院の一種で、床の間脇の縁側に張り出した棚(机)で、下を地袋などとし前に明かり障子を立てたものです。

初めての住まい作り

出書院と平書院との違いはありますか?

住まい作りのベテラン

出書院は、付書院の張り出しをなくした書院です。平書院は、付書院の張り出しをなくした書院です。

付書院とは。

建築・リフォーム関連用語の「付書院」とは、書院の一種で、床の間の隣にある縁側に設置された棚のことです。付書院は、下部を地袋(収納スペース)とし、前に明かり障子(採光のための障子)を立てた作りになっています。また、付書院は「出書院(でしょいん)」とも呼ばれ、張り出しをなくした書院は「平書院」と呼ばれています。

付書院とは

付書院とは

付書院とは、書院造の一形式で、書院の脇に付いた小部屋のことです。書院は、平安時代から鎌倉時代にかけて、貴族や武士の邸宅に設けられた書物を読むための部屋を指します。付書院は、室町時代以降に書院の横に作られるようになり、書院で読書や執筆をする際に使用されました。

書院は、一般的に畳敷きで、壁は土壁や障壁画で飾られています。付書院は、書院よりも小規模で、畳1畳から2畳ほどの大きさです。壁は、障壁画で飾られることが多く、書院と同様、読書や執筆をする際に使用されました。付書院は、書院造の重要な要素であり、書院の脇に付くことで、書院の空間をより豊かにしています。

付書院の特徴

付書院の特徴

付書院の特徴

付書院は、書院造りの発展形として生まれた建築様式です。書院造りは、平安時代後期に貴族の邸宅に生まれた建築様式で、書物を収蔵したり、学問や文芸の活動を行う空間として使用されていました。付書院は、室町時代中期頃に書院造りに茶室の要素を取り入れて生まれたもので、書院造りの特徴である書棚や床の間を備えながらも、茶室の要素である躙口や畳敷きを取り入れています。付書院は、茶の湯が行われる場として使用されることが多く、書院造りよりも簡素な造りになっているのが特徴です。茶室の要素を取り入れたことで、茶の湯に適した空間を作り出すことができました。

付書院の歴史

付書院の歴史

付書院の歴史

付書院の起源は、室町時代末期に遡ります。茶の湯の流行とともに、茶室の中で書物を鑑賞したり、茶の湯の心得を学ぶための空間として付書院が整備されるようになりました。付書院は、書院造りの一種であり、書院と同様に畳敷きの床に障子や襖を配し、床の間や違い棚を設けるのが一般的です。しかし、付書院は書院よりも小規模で、茶室に隣接して建てられることが多いのが特徴です。付書院は、茶室の控室や待合室として利用されるだけでなく、書斎や勉強部屋としても使用されました。

安土桃山時代になると、付書院はさらに発展し、豪華で装飾的な意匠が施されるようになります。桃山時代の付書院は、金箔や蒔絵をふんだんに使用し、狩野派の絵師による障壁画で飾られるなど、非常に華やかな空間でした。付書院は、権力者や富裕層のステータスシンボルとして、競って建てられました。

江戸時代になると、付書院はより簡素な意匠へと変化していきます。これは、茶の湯の精神が普及し、豪華な装飾よりも質素な美しさが好まれるようになったことが背景にあります。江戸時代の付書院は、書院や茶室と一体化し、より生活空間としての性格を強めていきます。

明治維新後は、付書院の建築は衰退していきます。これは、洋風建築の流入や、茶の湯の衰退など、さまざまな要因が重なったためです。しかし、近年では、付書院の価値が見直され、復元や保存の取り組みが行われるようになっています。

付書院の活用例

付書院の活用例

付書院の活用例

付書院は、本来は武士の居間として使われていましたが、時代とともにその用途は多様化していきました。例えば、公家や僧侶の住宅や、寺院の書院、茶室、数寄屋などにも利用されるようになりました。また、付書院は、その広々とした空間や、障壁画や襖絵などの装飾によって、格式の高い空間を作り出すことができます。そのため、芸術品を展示したり、茶会や能楽などの催し物を開催したりするのにも適しています

現代では、付書院は、料亭や旅館、ホテルなどの宿泊施設でも利用されることがあります。また、博物館や美術館などの文化施設にも、付書院が展示されていることがあり、その歴史や文化を学ぶことができます。

付書院の注意点

付書院の注意点

-付書院の注意点-

付書院は、通常、他の部屋よりも一段高い位置に作られ、書院は続きの間や畳敷きの広間などに設けられますが、専用の空間として独立している場合もあります。また、付書院は、壁や柱、襖などに装飾を施した華やかな部屋であることが多く、格式の高い部屋として扱われます。しかし、付書院にはいくつか注意すべき点があります。

まず、付書院は他の部屋よりも一段高い位置にあるため、段差に注意する必要があります。また、付書院は、壁や柱、襖などに装飾を施した華やかな部屋であることが多いため、掃除やメンテナンスに手間がかかります。さらに、付書院は、通常、他の部屋よりも面積が狭いことが多く、狭い空間を有効活用する必要があります

付書院を使う際には、これらの注意点に留意して、適切な使い方をするようにしましょう

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