屏風とは?その歴史と種類、そして屏風絵の魅力
初めての住まい作り
屏風って何ですか?
住まい作りのベテラン
屏風とは、風と人の視線を遮るための折り畳み式の衝立のことです。始まりは中国の漢の時代といい、日本に入ったのは7世紀です。当初は紐状のものでつないでいたが、平安時代以降丁番式のものになり、のちに紙の丁番が使われるようになりました。
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屏風の形ってどんなのですか?
住まい作りのベテラン
基本型は6枚を折り畳むものですが、8枚、4枚などのほか、枕屏風のように2枚のものもあります。
屏風とは。
建築・リフォーム用語『屏風』。風や人の視線を遮るための折りたたみ式の衝立のことである。起源は中国の漢の時代とされており、日本には7世紀に伝わった。当初は紐状のものでつなぐ形式だったが、平安時代以降は丁番式のものとなり、後に紙の丁番が使われるようになった。基本型は6枚を折りたたむものであり、8枚、4枚のもの、また枕屏風のように2枚のものもある。屏風に描かれる絵は屏風絵と呼ばれ、大和絵や水墨画の発展と密接に関連している。
屏風の起源と歴史
屏風の起源は古代中国にあり、その歴史はとても古く、約2000年前までさかのぼります。屏風はもともと、仕切りや目隠しとして使われていましたが、次第に装飾的な要素が加えられ、芸術作品として発展していきました。
屏風が日本に伝わったのは、奈良時代のこととされています。平安時代になると、屏風は貴族の邸宅などに置かれるようになり、装飾性の高い屏風絵が数多く制作されました。室町時代になると、屏風絵は庶民にも普及し、様々な屏風が作られるようになりました。
江戸時代になると、屏風絵はさらに盛んになり、浮世絵などの新しい絵画のスタイルを取り入れた屏風が数多く作られました。屏風は、庶民の生活に欠かせない調度品となり、様々な屏風が作られました。
明治時代以降も、屏風は伝統的な工芸品として制作され続け、現代でも多くの屏風作家が活躍しています。
屏風の種類と形状
屏風の種類と形状
屏風の形状は大きく分けて三つあります。
最も一般的で広く知られているのは、二曲一双屏風(にっきょくいっそうびょうぶ)です。二枚で対になっている屏風で、左右対称に描かれた絵柄が特徴です。屏風として使用されている素材や形状は様々ですが、木や紙でできているものが多いです。
続いて、三曲一双屏風(さんっきょくいっそうびょうぶ)があります。こちらは、三枚で対になっている屏風で、二曲一双屏風に比べて、より広範囲に描かれた絵柄を楽しむことができます。
最後に、六曲一双屏風(ろっきょくいっそうびょうぶ)があります。こちらは、六枚で対になっている屏風で、二曲一双屏風や三曲一双屏風よりも、さらに大規模な絵柄を楽しむことができます。また、六曲一双屏風は、屏風を閉じたときに、屏風の正面と背面の両方に絵柄が描かれているのが特徴です。
屏風に描かれる絵画「屏風絵」
屏風に描かれる絵画「屏風絵」は、屏風の魅力の一つです。屏風絵は、屏風の各面に描かれた絵画のことです。屏風絵は、その屏風の素材や形式によって、様々な種類があります。
屏風絵の種類の一つは、金屏風絵です。金屏風絵は、金箔を貼った屏風に描かれた絵画です。金屏風絵は、豪華絢爛な雰囲気があり、仏教美術や障壁画などに多く用いられました。
屏風絵の種類の二つ目は、紙本金地屏風絵です。紙本金地屏風絵は、金箔を貼った紙に描かれた絵画です。紙本金地屏風絵は、金屏風絵よりも軽く、持ち運びがしやすいので、庶民の間でも広く普及しました。
屏風絵の種類の三つ目は、紙本銀地屏風絵です。紙本銀地屏風絵は、銀箔を貼った紙に描かれた絵画です。紙本銀地屏風絵は、紙本金地屏風絵よりも落ち着いた雰囲気があり、文人画などに多く用いられました。
屏風絵は、その描かれた絵画によって、様々な種類があります。屏風絵に描かれる絵画は、風景画、花鳥画、人物画など、様々です。特に、花鳥画や人物画は、屏風絵に多く描かれました。
屏風絵の歴史と代表的な屏風絵師
屏風絵の歴史を紐解くと、遡ること平安時代までさかのぼります。当時は屏風は室内の仕切りとして使われ、日本独自の様式が確立していきました。室町時代には金箔や銀箔が使われ、豪華絢爛な屏風絵が制作されるようになりました。桃山時代になると、障壁画に匹敵するような大型の屏風絵が制作され、狩野派をはじめとする様々な画派が活躍しました。
江戸時代には、屏風絵が庶民の生活にも浸透し、浮世絵や風俗画など、様々なジャンルの屏風絵が制作されました。なかでも俵屋宗達が描く「風神雷神図屏風」は、屏風絵の傑作として名高い作品です。また、尾形光琳の「紅白梅図屏風」も、屏風絵の代表的な作品のひとつです。
明治時代になると、屏風は次第にその役割を終え、近代絵画が主流となっていきました。しかし、その一方で、屏風絵の持つ装飾性や芸術性が注目され、コレクターの間で屏風絵の収集が始まります。現代では、屏風絵は美術館や博物館に所蔵され、鑑賞することができます。
屏風絵の鑑賞のポイント
屏風絵の鑑賞のポイント屏風絵の鑑賞において、最も重要な点は、その絵画の技法や画題、構図などを理解することです。絵画の技法としては、金箔や銀箔を用いた装飾的なもの、水墨画のような簡素なもの、また、様々な色を使用した写実的なものなど、様々なものがあります。画題としては、自然風景を描いたもの、人物を描いたもの、物語や伝説を描いたものなど、様々です。構図としては、左右対称のもの、非対称のもの、また、場面によって構図が変化するものなど、様々です。これらの要素を理解することで、屏風絵の持つ美しさや魅力をより深く理解することができます。
また、屏風絵を鑑賞する際には、その屏風絵が作られた時代や背景についても理解しておくことが重要です。屏風絵は、日本の歴史の中で様々な役割を果たしており、その時代や背景によって、その絵画の技法や画題、構図などが変化しています。例えば、平安時代には、屏風絵は宮廷の装飾品として用いられ、金箔や銀箔を用いた豪華絢爛なものが多く作られました。鎌倉時代には、屏風絵は禅宗の寺院の荘厳具として用いられ、水墨画のような簡素なもの、また、自然風景を描いたものが多く作られました。室町時代には、屏風絵は武家社会の装飾品として用いられ、様々な色を使用した写実的なものが多く作られました。桃山時代には、屏風絵は安土桃山文化の影響を受けて、華やかで豪華絢爛なもの、また、物語や伝説を描いたものが多く作られました。江戸時代には、屏風絵は庶民の生活にも浸透し、様々な階層の人々が屏風絵を鑑賞するようになりました。